 |
| フリースクール&ハマノネイチャースクール
©浜野総合研究所 |
 |
「共育」の実となる体験を、私は大自然のなかでの子どもたちとのふれあいを通して得ました。これまで30年にわたり、ミクロネシアの島々、先にお話ししたモンタナやワイオミングの大平原で、子どもたちと寝食をともにしながら遊ぶハマノネイチャースクールを主催してきました。そのなかで、じつにたくさんのことをともに感じあい、学びあってきたのです。
こんなことがありました。ある子どもといっしょにフライ・フィッシングを教えていて、世界でも知られたプロの私が全然ヒットしないのに、その生徒はおもしろいように釣っている。不思議に思って釣り方を見ると、フライを遠くに投げていた私とちがって、目の前の流れに向かってキャストしていました。その子のまねをして近くを狙うと、私も途端に釣れはじめたのです。それは、かつて味わったことのない感動でした。その生徒の力の限界と天性のカンで見つけたさかなの居場所、私はプロのプライドを捨てその子に学ぶことで、ともに大きな喜びを分かちあうことができたのです。
こんなこともありました。ロック・クライミングをしていたとき、ある少年が私にロープの安全な使い方を教えてくれたのです。私は彼に、ロープの使い方を言葉で教えたことはありませんでした。きっと、親兄弟の「背中」を見ながら自然に学んだのだと思います。その気づきを、彼は自分の言葉にして伝え、私を安全へと導いてくれたのです。
いくつものこのような体験を通して、私はつぎのような思いに至りました。子どもたちは、私たちに何かを教えるために、私たちと何かを共有するために生まれてくるのかもしれない。彼らは感覚で共存できる同士、同じ感動を分かちあえる仲間なのかもしれない。そして、その関係は夫婦や友だち同士など、あらゆるつながりに置きかえることができる、と。もしかすると、赤ちゃんの何気ない仕草からだって、私たちは何かを学べるかもしれません。大切なのはともに心を開き、互いに相手の目線になって見つめあうこと。大人だからえらいとか、知らない人だから照れ臭いなどと思わずに、相手を感覚で共存できる同士、同じ感動が持てる仲間と思えば、ともに感じあい、学びあうことができ、「共育」の輪はきっと大きく広がっていくはずです。 |
|
 |
 |
 |
フリースクール&
ハマノネイチャースクール
「花のオブジェプロジェクト」
デザイン制作:菱沼良樹
©神原卓実 |
 |
 |
フリースクール&
ハマノネイチャースクール
©神原卓実 |
 |
 |
フリースクール&
ハマノネイチャースクール
©神原卓実 |
|