ともに。京阪東ローズタウンは、「共育」のまちへ。
「共育のまち」
 まちへの想い
 共育のまちに寄せて
京阪東ローズタウン
共育のまちに寄せて
ライフスタイル・プロデューサー 浜野 安宏氏 ライフスタイル・プロデューサー 浜野 安宏氏
子どもたちの子どもたちの子どもたちへ
「モンタナの大草原のような穏やかな広がりを感じるな」
はじめてここを訪れたとき、ふと、そんなフィーリングに包まれたのを覚えています。モンタナはアメリカの北西部カナダ国境に接する所に広がる州で、ネイティブアメリカンが古代より豊かな生活を営んできた大地です。それぞれの規模や自然風土はまったく異なります。モンタナの牧場は大平原で、ここ松井山手はほどよく広い暮らしのまち。しかし彼の地と同様に、ここに足を踏み入れた瞬間、人の心を穏やかにする地の精霊の存在と、太古のむかしに人々が平和に生きていた歴史の暖かみを直感したのです。
それと同時に、いまも空が高く大きく見えることに少し驚きました。私は京都生まれの京都育ちで、魚釣りのたいへん好きな子どもでした。休みにはいつも大物を釣りあげることを夢見て、友だちといっしょに市内からはるばる自転車をとばし、この周辺の川で日が落ちるまで釣りを楽しんだものです。
もちろん、あたりの風景は大きく変わりました。そのころにはなかった、人々が暮らすまちがここに出来ていました。しかし少年の眼で見上げた大空と、いまの視線で捉えた空の広がりに変わりはありません。
京阪東ローズタウンはまちびらきから16年目を迎えたと聞きました。その間にこのまちはいっそう豊かに、住みよくなったようです。コミュニティ活動も年々多彩に、活発になってきているようですね。
「子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ」
私はこのスローガンですべての仕事をしています。まちのよりよい未来を拓くために、京阪東ローズタウンは「共育」をテーマに新しいまちづくりをはじめることになりました。「共育」とは、動植物が共生しながらともに進化しあう自然界の「連係進化」を私なりに発展させた思想です。親子、夫婦、さらにはまちのみんなが同じ地平に立ってともに感じあい、学びあい、育てあいながらいっしょに進化し、ほんとうに幸せな関係を築いていくことを目指しています。そこには誰かに一方的に服属したり、誰かに自分のやり方を押し付けるといった考えは、いっさい存在しません。
 浜野総合研究所は
http://www.teamhamano.com
 浜野 安宏氏の書籍はこちら
感じあい学びあい育てあう
フリースクール&ハマノネイチャースクール ©浜野総合研究所
「共育」の実となる体験を、私は大自然のなかでの子どもたちとのふれあいを通して得ました。これまで30年にわたり、ミクロネシアの島々、先にお話ししたモンタナやワイオミングの大平原で、子どもたちと寝食をともにしながら遊ぶハマノネイチャースクールを主催してきました。そのなかで、じつにたくさんのことをともに感じあい、学びあってきたのです。
こんなことがありました。ある子どもといっしょにフライ・フィッシングを教えていて、世界でも知られたプロの私が全然ヒットしないのに、その生徒はおもしろいように釣っている。不思議に思って釣り方を見ると、フライを遠くに投げていた私とちがって、目の前の流れに向かってキャストしていました。その子のまねをして近くを狙うと、私も途端に釣れはじめたのです。それは、かつて味わったことのない感動でした。その生徒の力の限界と天性のカンで見つけたさかなの居場所、私はプロのプライドを捨てその子に学ぶことで、ともに大きな喜びを分かちあうことができたのです。
こんなこともありました。ロック・クライミングをしていたとき、ある少年が私にロープの安全な使い方を教えてくれたのです。私は彼に、ロープの使い方を言葉で教えたことはありませんでした。きっと、親兄弟の「背中」を見ながら自然に学んだのだと思います。その気づきを、彼は自分の言葉にして伝え、私を安全へと導いてくれたのです。
いくつものこのような体験を通して、私はつぎのような思いに至りました。子どもたちは、私たちに何かを教えるために、私たちと何かを共有するために生まれてくるのかもしれない。彼らは感覚で共存できる同士、同じ感動を分かちあえる仲間なのかもしれない。そして、その関係は夫婦や友だち同士など、あらゆるつながりに置きかえることができる、と。もしかすると、赤ちゃんの何気ない仕草からだって、私たちは何かを学べるかもしれません。大切なのはともに心を開き、互いに相手の目線になって見つめあうこと。大人だからえらいとか、知らない人だから照れ臭いなどと思わずに、相手を感覚で共存できる同士、同じ感動が持てる仲間と思えば、ともに感じあい、学びあうことができ、「共育」の輪はきっと大きく広がっていくはずです。
フリースクール&
ハマノネイチャースクール
「花のオブジェプロジェクト」
デザイン制作:菱沼良樹
©神原卓実
フリースクール&
ハマノネイチャースクール
©神原卓実
フリースクール&
ハマノネイチャースクール
©神原卓実
いつも新しくもっと豊かにずっと幸せに
京阪東ローズタウンにて
かつてない「共育」のまちづくりによって、京阪東ローズタウンがこれからどのような未来を創造していくのか。期待を寄せることはたくさんありますが、なかでも心待ちにしているのはこのまちで「オルタナティブ」が育まれることです。オルタナティブとは、いままでの「コト」や「モノ」に取ってかわる新しい「何か」のことです。
たとえば「食」のオルタナティブ。これは私の持論ですが、日本人の舌は世界でいちばんだと思います。なぜなら、日本には各家庭に代々受け継がれてきた固有の味があります。それは友人や近所の異なる味と出会うことで、さらなる美味しさを生み出すという社会環境があります。ところがここ数年はファーストフードなどグローバリズムなどの悪影響により、日本のどこにいっても同じ味になって行きつつあります。子どもたちはほんとうの美味しさを知らないまま大きくなりかねないのです。
そこで住民の方同士が親から教わったことや、自分の育った地域の食材などをそれぞれ持ちあい、ともに知恵を出しあいながら、みんなで新しい食のあり方や美味しさを追及していく。そうして生まれたこのまちならではのオルタナティブは、コミュニティの新しい魅力になり、もっと多くの人をここに惹きつけるかもしれません。”スローフード”"LOHAS"のように、新しいライフスタイルや文化に育つ可能性だって十分に秘めています。
そして何よりも、一人ひとりが主役としてみんなで感じあい、学びあいながら育てた豊かな暮らしが、子どもたちの、子どもたちの、さらに子どもたちへと受け継がれていけば、ここに暮らす人とまちにとって、それ以上の幸せはないのではないでしょうか。
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